こんにちは、おかてんです。
僕は英語論文を読むのがずっと苦手でした。
大学の研究室に入ってから英語論文を読む機会が増え、研究職として企業に就職した今でも英語論文を読む機会があります。
最近までとても苦手意識を持っていました。
僕が英語論文を読む時に悩んでいたのは
- 時間をかけすぎている
- 理解できない
- 途中でやめてしまう
でした。
読むのに1ヶ月くらいかけたのに結局よくわからなかったりとか、
難しすぎて途中で読むのをやめてしまったとか、
同じ悩みを持っている人もいるんではないでしょうか。
どうすれば、早く読めるのか、きちんと理解できるのか?
自分なりに試行錯誤した結果、論文を読むにはコツがありました!
これを意識すればあなたも英語論文への苦手意識がなくなります。
日本語論文の読み方にも参考になると思うので是非ご覧下さい!
目次
論文の構成を知ろう!
ご存知の方も多いと思いますが一応確認。
英語論文の構成は
- Abstract(要約)
- Introduction(導入)
- Related work(関連研究)
- Proposed method(提案手法)
- Experiment(実験)
- Discussion(考察)
- Conclusion(結論・まとめ)
ですかね。
分野によって違うと思いますが、情報系だとこういう構成が多いです。
日本語論文も同じような構成が多いです。
Abstract(要約)
全体を数行でまとめている。比較的読みやすい。
Introduction(導入)
なぜこの研究を始めたのか?というような社会的背景などから入る。これも比較的読みやすい。
Related Work(関連研究)
同じ分野の他研究を対象に自分の研究の位置付けを記述。慣れていない分野なら「知らねーよ!」というのが多く、少し読みづらいかも。Introductionと同じにされることもある。
Proposed Method(提案手法)
論文の肝。重要だがかなり難しく読みづらい。
Experiment(実験)
Proposed Methodを使って実際に試してみたもの。グラフが多いのでまだ読みやすい。ただ、グラフが読みづらいものもあるので注意。
Discussion(考察)
Experiment(実験)から客観的に言えることが書かれている。ここも比較的読みやすいが、Proposed MethodとExperimentを読んでいないと、わからない部分もある。
Conclusion(結論・まとめ)
結論と今後どうするのか?について書かれている。かなり読みやすい。
大体の意味合いはこんな感じだと思いますが、論文によっては少し違うかもしれません。
では、英語論文のコツを教えます!
論文には読み方がある
論文を読むときには初めから読もうとしていませんか?
それだと途中で理解できずにやめてしまう可能性が高いです。
論文を読むときって全部読まなければいけないと思っていませんか?
そんなことをしていると時間がいくらかかっても終わりません。
まずは
- 読みやすいところ
- 必要なところ
から読むようにしましょう。
読みやすいところとは?
論文の構成でも書いた通り、
Abstract(要約)・Introduction(導入)・Conclusion(結論・まとめ)です。
これらを読んで論文の雰囲気をつかみましょう。
では必要なところとは?
論文の位置付けが書いてあるところです。
場所としてはRelated Work(関連研究)の最後の方ですね。
proposeという単語が出てきたら、その前後に注意しましょう。
論文の読み方さえわかれば、ずっと楽になります。
まずは以下のことを実践してみましょう。
- 読みやすいところを読む
- 必要なところだけを読む
ちなみに僕が論文を読むときの順番はこちらです。
まずは論文の雰囲気をつかむことが大事。そのために上記の①〜④の順番に読むと雰囲気をつかみやすいです。
何が書いてあるかわからない論文なんて読む気になりませんよね。これらのセッションは比較的読みやすいので、理解しやすいかと思います。
その他のセッションは自由に読み進めても構いません。まずは論文に慣れることが最優先です。
続いては僕が実践している、具体的な読み方についてご紹介します!Proposed Method(提案手法)、Experiment(実験)に関する読み方もあります。
「we」や「our」が出てきたら要チェック!
「we」、「our」というのが出てくるということはこの論文特有のオリジナリティが入っているのです。
特に「We propose」とか、「In our method」があれば、その文章の前後は
「今までのやつらの手法にはこういう問題点があったけど、オレたちのはこんなすごい手法を考えて問題を解決し、こんなすごい結果を出したんだぜ!」
という文章がほとんどです。
そしてその後に続く文章がとても大事になってくるので見逃すことのないように!
Proposed Method(提案手法)は流れだけつかめばいい
初めにProposed Method(提案手法)は論文の肝だと言いました。
「でも流れだけわかればいいってどういうこと?」
と思うでしょう。
半分くらいわかればいいのです。
おそらく、ここが一番難しくて挫折してしまう人が多いと思います。
なぜならProposed Method(提案手法)では難解な数式が多く、それを理解しようとするといつまでたってもできません。
僕も未だに理解できていない数式が多いです。
数式は読み飛ばして全体の流れを掴むことがポイントです。
Proposed Method(提案手法)の最初の文章で全体の流れをつかみます。
次々に出てくる数式の少し前の文章を読みます。
そこには
「数式は何のために使っているのか?」
が書かれています。
それさえ理解できれば、十分です。
あとは必要に応じて数式を見るぐらいの気持ちでいましょう。
Proposed Method(提案手法)を読むときには
- 全体の流れ
- 数式の少し前の文章
だけをまずは理解するようにしましょう。
Expriment(実験)は最初流し読み
Experiment(実験)を読み始めると、最初の方から実験構成やら条件など、つらつらと書いていることが多いです。
そういう情報って論文の読み始めだとほとんどいらないんですよね。
これは論文を読み進めてからでも十分なので、後回しにしちゃっても構いません。
読むとすれば、既存の手法よりどれくらい良いのか?ですね。
それは図やグラフで表されているので、気になったらそこだけ読みましょう。
1日で読みきろうとしない
英語論文は1日では読みきれません。
数日かけて読むくらいの気持ちでいきましょう。
その時に必ず日本語訳を残しておきましょう。
頭の中で考えているだけでは次の日に忘れてしまいます。
大学教員レベルになると、おそらく頭の中で整理することはできると思いますが、研究したての学生や社会人ではそうはいきません。
箇条書きで日本語でテキストに起こしたり、余裕があればパワポにまとめたりしすることで、忘れないだけでなく、書くことにより頭にも定着しやすくなります。
日本語をテキストに起こす
「読み方の流れとか、大事な所とか言われてもそもそも英語がわからねえよ!」
という方もいると思います。
というか僕もそうでした。
「英語論文 読み方」でググっても、読み方の流れとか、大事な所だけを読もうとか言われても、英語がわからなければどうしようもないんですよね。
そこで、英語がわからないなりに僕が工夫していることを教えます。
まずは意味がわからなくても日本語訳して、文字に起こしてみることです。
全くわからないときはGoogle翻訳にかけちゃいましょう。
おそらくそれではまだ意味がわからないと思います。
しかし、文字に起こすことで記憶に残り、次の文章を読むとつながることが多いんですよね。
日本人にとって、英語は一文だけでは分かりづらいというのが現状です。
全くわからない状態から脱するためにはまずはテキストでも紙でもなんでもいいので、英語を日本語に直してみましょう。
単語レベルでもいいので、文字に起こすと全く違います。
それでもわからなければ
それでもわからない人はおそらく事前知識が足りません。
論文に出てくる文章を単語レベルで調べて、理解しましょう。
これはなかなか時間のかかる作業ですが、事前知識をしっかりつければ、同じ分野の論文を読む時にだいぶ楽になります。
僕はExcelシートに日付・単語・意味・調べたURLを書いて覚えています。
これなら忘れた時でもすぐに見返すことができるので便利です。
ここをしっかりやることが非常に大事で、根気強く覚えていきましょう!
最後に
英語論文を読むのは苦痛ですよね。
僕も何年も苦労して読んでいました。
ただ、最近はコツをつかんで、あまり時間をかけず、着実に理解して読めるようになりました。
慣れてきたらパワポでまとめてみると、より理解が深まりますし、他の人とも共有することで自分の評価も上がります。
知識がどんどん増えていくと楽しくなるので、まずは英語論文の読み方のコツをつかみましょう!