落合陽一の「ゼロヒャク教科書」を読んでみて

書評

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こんにちは、おかてんです。

落合陽一氏の著書「0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書」、通称「ゼロヒャク教科書」を読んでみました。

特に気になるポイントを僕なりにピックアップしたのでご紹介します。

 

ゼロヒャク教科書とは?

そもそも「ゼロヒャク教科書」とはどのようなものでしょうか?

タイトルからある通り、0才から100才まで学び続けるにはどうすればいいのか?という内容です。人間の寿命は徐々に伸びており、現在生活している人は100歳まで生きる人がほとんどだと言われています。そのため、100才まで生きるためには定年後も働き続ける必要があります。

僕がこの本を読もうと思ったモチベーションは今後100年生きていく中でどのようなスキルが必要なのか?ということが知りたくて読みました。読んで見た結果、いくつものヒントが書かれていたのでそれを中心にご紹介します。

この本を読むと子供がいる方などは今後どのように育てていくかの参考にもなるかと思います。

あとは落合陽一氏の書籍はこれまで色々ありますが、一番読みやすかったです。

それでは気になった内容をご紹介します。

 

落合陽一氏の勉強する理由

落合陽一氏は自らが勉強する理由についてこう述べています。

僕は、勉強をする理由は、新しいことを考えたり、新しいことを身につける方法を学ぶためだと思っています。特定の勉強の内容そのものよりも、勉強し続けることを止めないことのほうが重要という価値観を持っているのです。

読んでいて、まさにその通りだと感じました。今の時代、専門スキルを身につけたとしてもそれだけで一生働き続けることは難しいでしょう。すさまじいスピードで変化する時代の中で求められるスキルを常に学び続け、実践し続けられる人が生き残ると思います。

僕自身も大学受験以降、大人になってからは勉強したくないと思っていました。しかし、これからの時代は今まで身につけたスキルがどんどん通用しなくなるだろうと感じ、社会人になっても勉強し続けています。

 

さらに、新しいことを身につけるスキルを獲得するためには落合氏はこのように述べています。

何才になっても新しいことを身につけられるスキルはどうやって培われるのかというと、若い時にいかにたくさん新しいことを習得しようとしたか、それを実際の現場で使おうとしたか、つまりたくさん勉強し実践したかどうかだと思うのです。

若者は今のうちにどんどん新しいことを習得し、実践することが大事なんですね。個人的にはこの「実践する」ことが大事だと思っていて、新しいことは学ぶだけではあまり身につかず、すぐに忘れてしまうので、実践することで学びを自分のものにすることができるんですね。

 

大学では課題解決方法を学ぼう

現在、大学の通う意味はあるのか?という議論が多くの場でされていると思います。そんな中での落合陽一氏の見解はこちら。

課題に対して自分なりの問いを立て、解決策を考え続けるのが学問です。ディスカッションを積み上げることによって、課題解決の方法を考え続けるという習慣を身につけることが大学の基礎課程だと僕は考えています。

僕自身は大学に通う意味はあると思うし、通ってよかったなと思います。大学時代の勉強って正解がないものが多いんですね。特に理系の人だと自分の研究が始まると、誰も解き明かしていない課題を自分が取り組まないといけません。僕も学生の頃はあまり意識せず、やっていましたがかなり貴重な体験だったと思います。社会に出るとそのような課題だらけなので、自分が考えて課題を解決する力を大学のうちに身につけておいた方が良いでしょう。

 

また、大学受験の価値観についても書かれています。

大学受験が終わったら大学受験的な価値観とはきっぱり決別し、先鋭的で多様性のある価値観にシフトできるような、柔軟性の高い人が現状の歪な環境では大きく成長するのです。

大学受験の勉強で手にすることができるのは自信・勉強習慣・学歴などでしょうか、個人的には経験してよかったと思います。しかし、大学受験で学んだ科目内容はあまり重要だとは感じません。高校までの評価というのはテストの点数を高く取ることで高い評価が得られます。その評価に固執し続けると、答えのある問題にしか強くならないんですよね。その考え方だと答えのない課題が山ほどある社会に出てても通用しないんですよね。

今後、大学受験を控えている方は大学ではどのようなことを学ぶべきかを今一度考えるべきだと思います。

 

質問力を磨こう

自分が気になることを正しく質問する能力。それはもちろん、何に対して疑問を抱いたのか、も大事になりますが、何よりも自ら課題を発見しようという心構えのあり方が重要で、それがないと大学に入っても自分のテーマが見いだせず、自分の得意とする専門性を身につけることや、じっくりとした研究ができない人になってしまうのです。

この能力はマジで大事です。

人間って何となく分かった気になって質問したり、疑問を抱いたりしないんですよね。これは仕事だけでなく、日常生活でも言えます。例えばこのような疑問を抱いたことはありますか?

  • なぜ、この商品は売れているのだろうか?
  • この広告はどのような効果を狙って作られているのだろうか?
  • この人の言っていることは本当に正しいのだろうか?

など、このような疑問を日々持てているでしょうか?僕自身も分かった気になってスルーしてしまう時もあります。しかし、少し頑張って質問すること・疑問を抱くことを続けると考える力がつき、社会課題に対してもアイデアが多く出るようになりますね。

 

あとは、自分自身にだけでなくセミナーや講演などで話を聞いた時にいつも質問できてますか?感心するだけで終わっていないですか?質問ができないということはそのセミナーや講演を理解できないこととほぼ同等だと思っています。セミナーや講演だけでなく、会議や打ち合わせなどでも同じです。質問するということは自分ごとと捉えて解決しようとする姿勢が大事です。

 

課題を社会実装する力が必要とされている

その知識や能力を、社会に役立つ価値を生み出す成果に変換するためには、どのように実装し、社会に問い続け、自分自身も最新の研究成果を学び続けることができるかがポイントになります。

落合氏は実装という言葉をよく使います。プログラミングをやっている人ならよく知っていると思いますが、実装とは「何かを使えるように組み込むこと」です。最近ではどんどんIT化が進む中で、この実装力というのは非常に大事だと思います。

例えば、課題解決のために何らかの解決策を考え出しました。その解決策を実行して初めて解決という形になります。解決策を実行するというところに実装力が必要なのです。実装するためには実際に手を動かして形にする必要があります。しかし、解決策を生み出すことと、それを形にして実際に解決することでは問われる能力が違います。解決策を生み出しても形にする能力、つまり実装力がなければアイデアだけで終わってしまいます。そのため、落合氏は実装という言葉を使い、社会に役立って初めてものになるという考えをしているのだと思います。

 

また、後にこのようなことも書かれています。

システムと実課題の間を取りもつ人材の価値は高まっていくでしょう。

最近仕事をしていてもこれは強く感じます。僕自身は仕事ではプログラミング実装をすることで課題解決を常日頃していますが、実装できる人の方が確実に重宝されます。課題を見つけ、それを解決する方法を考えるまでなら誰でもできるんですよね。

大事なのは、その先の実装まで組み込む力です。変化が早い今の時代ではどんどん新しい技術が生み出されます。IT業界ではその技術を使って、課題解決に取り組んでいます。実装することで初めてその解決方法が正しいかを検証することができます。そのため、新しく出てくる技術をどんどん実装する必要があるんですね。なので、解決方法を実装する力というのは今後さらに重要になっていくでしょう。

あとは何より机上の空論で実課題の対策に対してあーだこーだ言うだけの人より、実課題への対策まできちんと実装できる人の意見の方が信頼できますね。

 

1つの専門スキルに固執すると危ない

唯一の得意分野や専門的スキルに特化するという選択はリスクが高くなります。そのスキルが必要とされる業界や仕事が、いつ廃れるかわからない時代だからです。かつての経済成長期のように全国民的に指向された大きな方向性がない今の時代には、指針も土台も揺らぎやすいのです。

一つの専門的なスキルを持つだけではこの際どこかでつまづくと思います。これは理系の人によく当てはまる気がしますね。一つの専門スキルに固執して、そのスキルの需要がなくなるとともに、自身の需要も無くなってしまう。そうならないために複数の専門スキルを身につけるのはもちろん、新しい事を学び、実践することを繰り返す訓練をしておくべきだと思います。

 

社会が激しく変化し、テクノロジーが目まぐるしく進歩するこれからの時代では、学生時代や社会人になりたての頃に学んだことを活かそうとしても、それらの知見はすぐに古びてしまうことも多いでしょう。つまり、我々は常に学び続けなくてはならないのです。

冒頭でも述べましたが、変化が早いこの時代では僕たちは今後新しいことを学び続けなければいけません。個人的にはこの続けるというのが非常に大事になると思います。1つの新しいことを学ぶと、学んだことに満足してそのスキル・知識だけでこれからの世の中を生きていこうと考えがちですが、それはすぐに廃れていくと考えた方が良いです。今の時代に10年先も通用するようなスキル・知識というのはほとんどありません。世の中の需要が変わっていく中で、都度それに順応できる人が今後生き残り続けるでしょう。

 

最後に

何をすべきかは誰も教えてくれません。そして、誰かに教えてもらわなくても自分の頭で考えられることが、21世紀を生きる人たちには求められているのです。

今後の時代を生き残ろうとすると自分の頭で考える能力が必要になると思います。つまり、自ら課題を見つけ出し、それに対してどのように解決するかを考え、それを実装することで解決につなげるという一連の流れができる人が生き残っていくのではないかと思います。

あとは、少し理系目線での紹介になってしまいましたが、アートについても書かれています。STEM教育ではなく、アートを加えたSTEAM教育についても詳しく書かれているので子供の教育では参考にしたい内容でした。

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